カウンター表示回路(2)
(1) リングカウンタによるLED順次点灯回路:
Dレジスタへのデータを下図のように帰還させることによって、リングカウンタを作ることができる。出力Q1〜Q6は、クロック(CK)により一つずつ順次繰り返してONになる。
D−FF(フリップ・フロップ)は、CK(クロックパルス)がOFF→ONに立ち上がる時に、D(データ)を記憶してQに出力する。
リセット(=リセット状態)は、RES = ”L”(アースする)で入力によらず
すべてのQが”L”となり、5入力NORにより左のD1に”H”が入力される。
LEDは、5φ・高輝度の赤、ピンク、黄、緑、青、紫(近紫外)を付けてみた。(中心波長 λc :赤625nm、黄590nm、緑525nm、青470nm、紫400nm; ピンクは青+蛍光物質、紫は近紫外の可視光側が少し光って見える)
(* 74LS260が入手できないときは、74LS27(3入力NOR×3)と74LS04(NOT×2)1/3で構成しても良い)
発振器に74LS00を使ったので、LED点灯が回るスピードが速かった。(C=47μF、R=5kΩで1周1秒程度) 数秒以上にするためには
555による発振回路のほうが良いと思われる。
(2) デジタル回路用ツールの作成:
@ 10進基準信号発生器:
水晶発振子(X−tal)は
1.0000Mcを用い、74LS390(10進カウンタが2個)を4個使って0.01Hzまで落とす。
水晶に並列に入ったトリマ(50p)は周波数の微調整用。(一般的には無くても良い。)
半固定抵抗Rは両方とも500Ω以下では発振しなくなり、1kΩ程度が最適値。
A ワンショットパルス発生器:
プッシュオンSWのチャタリングは無視され、1パルスだけ発生する。 ・・・ CLR=”H”、B=”H”のとき、
A: ↓(ON) で、Q: 正パルス、 Q−: 負パルス
Cex1=10μF、 Rex1=22kΩ とする。
(プッシュオフSW(*信頼性の理由であまり使われない)の場合は、 CLR=”H”、 A=”L”のとき、 B: ↑(OFF) で、Q: 正パルス)
74LS221を左図のように接続すると、ラッチ、リセット用の 周期的な遅延ダブルパルスを作ることができる。
@とAを合体させると次のようなパターンになる。
(3) レジスタ機能付き7セグメントLED表示回路の実験:
74LS175(D−FF×4)を、7セグメント表示器の非同期10進カウンタ(74LS90)とデコーダ/ドライバ(74LS47)の間に入れた。
74LS175は、クロック(CK)の立ち上がりごとに、90からのBCD信号(A、B、C、D)をレジスト(記憶)して、4ビット信号の形で47へ出力する。
・ LEDのアノードに直接+5Vをつなげ、リセットをアースして、クロックとカウント入力に同時に信号を入力すると、普通にカウントアップする。
・ カウント入力を90のみに入れ、クロックに1パルスずつ入力すると、その時90にカウントされている値が出力される。
また、7セグメントLEDのダイナミックドライブを検討するために、LEDのアノード側にトランジスター(2SC1815)を付け、ベース入力で制御するためのパラメータを決定する。
・ ベース入力抵抗1kΩ、47からLEDへの抵抗330Ωで、TrのベースにTTLクロックを入力すると、LEDは点滅し輝度は半減する。抵抗を150Ωにしてもあまり変わらない。
(→ ダイナミックドライブにするためには高輝度LEDが必要)
・ 47のブランク(BI/RBO)をアースすると無表示になる。